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性同一性障害+無職ニート

愚痴かいてるだけ

バーテンダーをしていた頃、女装させられた話

大学に馴染めず半年で中退し、性別違和にひたすら苦しんだ後、ジェンダークリニックに通うことになったものの、こちらもドロップアウトしてしまった。

バイトも続かず、とにかく人との繋がりが欲しかった寂しがり屋の私は、思い切って水商売の世界(バーテンダー)に足を踏み入れた。

この頃、死んでもいいと投げやりになって女性ホルモン剤と抗男性ホルモン剤を大量服用していた影響か、私の容姿は単なる中性的から女性的へと大きく変化していた。

面接の時、オーナーは私の容姿に驚いたらしく「ニューハーフが来た」と思ったらしい。でも、店を辞めるまで、ホルモン剤を服用していることは一度も言わず、あくまで男性を貫いた。

店には色々な客がやってきた。一般客やキャバ嬢が多かったけど、他に風俗嬢、SM嬢などなど…。

みんな私を可愛がってくれた。容姿の影響も大きかったかもしれないが、性格的に大人しくて寂しがり屋で誰かに甘えたいタイプの私は、色々と疲れきった人たちには、何だか可愛がりたくなるというか、癒される物があった、らしい。

男らしくて格好いいバーテンダーではなかったけど、私を目当てに来店してくる常連さんは徐々に増えた。

オーナーはよく「おまえは客を呼ぶ」と言っていた。私自身、客と話していると、寂しさや孤独感、悩み事を忘れることが出来て楽しかった。

店に勤めて2年目の頃、オーナーが「今年は常連を招待してハロウィンパーティーをやろう」と言い出した。

そして「おまえは仮装じゃなくて女装しろ」と言われ、人生で初めて女装することになった。

当日。用意されたチャイナドレスを着た。メイクアップアーティストが来ていたけど「全然メイクの必要ないじゃないですか」と怒っていた。

そして招待客がやってきた。常連客だけではなく、オーナーの人脈で色々な業種の人が来ていた。

みんな私を見て、女の子にしか見えないと驚いていた。オーナーが「な!?この子ホントに凄いだろ。うちの目玉商品」と、得意げに紹介していた。

一人の女性?が話しかけてきた。話を聞くと元男性で、ニューハーフクラブのオーナーママをしている人だった。

私がホルモン剤を服用していることは見事に見抜かれていた。そして、この店を辞める時が来たら、うちで働いてみないか、と誘いを受けた。

私はニューハーフにはなりたく無かったので断ったけど「あなた素質あるよ、もし気が変わったら連絡ちょうだい」と名刺をくれた。今も気は変わらないけどね。

この日は、今までの人生で一番楽しかった。

例えこの僅かな時間の間だけであっても、自分が本当の女性になれたような、そんな錯覚に陥ったというか…みんなの言葉が、とても嬉しかったです。